果実

赤い実がなる木の下 錆びたお菓子の缶を取り出す
高鳴る胸 震える手で開けたふたりのタイムカプセル

枯れた声で蝉が鳴いてる 許して 勝手なこと
最近ふたり すれ違ってばかりで

夏が過ぎるたびに 大人びていくふたりが
見失ってしまったものに 会いたくなってしまった

校舎の裏 一緒に撮った写真 あなたが書いた手紙
懐かしさが体を襲う こんな時もあった…

今日が昨日に 明日が今日に変わっていくのに
くせある文字 今と同じで 涙あふれた

あぁ いつまでも あなたのそばにいるのが
私であるように もう少し信じてみよう

思い出すよ…
緑の風に はしゃいでるあなたに 空の青
熟した果実の色を

夏が過ぎる度に 大人びていく私が
見失ってしまったものは 同じ思い出を持つよろこび

私は あなたに愛される度 幸せを帯びる果実だから

もう少し信じてみよう

歩いてく あなたと はぐれぬよう 祈ってる…
歩いてく あなたと はぐれぬよう 祈ってる…
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