木をきる

森の向こう側に
なにがあるのか
俺は木をきるのさ
大きな斧で
どこまでも いつまででも

たとえ風が吹こうと
雨が降ろうと
俺は木をきるのさ
いつもの斧で
汗をふき 力いれて

からだに鞭打ち 骨までも唸らせ
少しも休まず なにも考えないで
俺は木をきる

道がないところも
道になるなら
俺は木をきるのさ
ひとつの斧で
夜明けから 真夜中まで

誰も見てなくても
誰が見てても
俺は木をきるのさ
大事な斧で
腹ペコに 気がついても

笑いもしないし 泣いたりもしないで
仕事だ 仕事だ 骨までも唸らせ
少しも休まず わき目などふらないで
俺は木をきる
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