九月には帰らない

九月には 帰らない
ただひとり 残っても
明日あたり 燈台へ
波しぶき 見に行こう

未来が霧に 閉ざされていた頃は
この潮さいが 重すぎて 泣いた

今はもう 負けないわ
九月には 帰らない

無口な人は 夏の日の儚(はかな)さを
上手く言えずに バスの窓 下ろす

今はもう 負けないわ
九月には 帰らない
九月には 帰らない
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