袋小路

うす陽のあたる石だたみ道
つきあたりにはあの店がある
ビルの狭間の硝子窓から
アイビー越しにタワーが見えた

ぼんやり座る椅子のきしみが
遠い想い出 呼び醒ますのよ
あなたはレモンひと口噛んで
「君といるのが辛い」と言った
もしどちらかにひとつまみでも
やさしさがあったなら
袋小路をぬけだせたのに
袋小路をぬけだせたのに

レモンスカッシュの冷い汗に
過ぎた昔が流れて映る
遊びさわいではじけた日々が
ああ哀しみに透き散ってゆく
もしどちらかがマッチ一本の
あたたかさ知ってたら
袋小路をぬけだせたのに
袋小路をぬけだせたのに
袋小路をぬけだせたのに
×