或る晴れた日

晴れた冬の空を
よこぎる鳥の群れを
まぶしそうに見上げる
わたしは彼のこと
あなたは彼女のこと
少しだけ話して

もどることの出来ないあの頃が
ただ遠くから微笑むけど
もどかしさを そのままに
肩を並べ歩く

季節が変わる頃
夢の中に沈んだ
記憶の海から
浮かんでは消える
まばゆい泡のように
あなたを思い出す

流れてゆく河の岸辺に
浮かんだふたつの船をいま
行く先も 告げぬまま
そっと風が揺らす
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