寒い夏

鈍色(にびいろ)の海 曇り空
夕日も見せず ただ暮れる
たわむれの 砂山は 白く
立ち上がる 足もとで 崩れてく
輝きさめた 愛と汗
言い出せぬ 二人の怖れ
ためらいは 砂粒 靴の中にあふれ
どこまでも つきまとい こころ縛る

波間に漂よう あの水鳥さえ
飛び立つ時 解るのに

別れの歌が 聞こえてる
はやりを過ぎた そのメロディー
とまどいの 眼差しを 向けて
ぎこちなく ほほえみを 交わし合う
鈍色の海 曇り空
全ての色は もう消えた
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