ソフトクリーム溶けた

街外れの 公園はまだ 明かりが一つだけあって
お月様のように 二人を照らす
人も居ないし 良いムードだし 何かが起こりそうなのに
曖昧な素振りを 君は続ける

そんなとき 君は急に 真剣になって
壁に手をかけて 顔が大きくなっていく君

ソフトクリームのように溶けそうな 甘い甘い私は
あなたの口に合うか わからないけど
君は数学のように解けそうで いつもなぜか解けなくて
だけど知り過ぎるのも 逆に怖い

夜のとばり 私たちは 光に引き寄せられて
静かな売店 足を止めた
バニラにするの? 抹茶にするの? 本当はどっちでも良いの
少しでも長く 君と居たくて

帰り道 想い溢れ 泣いてしまったら
強く抱き寄せて また会えるよと 言ってくれるの?

ソフトクリームは時間と共に 少しずつ無くなって
涙のようにポタポタ 落ちて消えた
君を数学のように解いたとき 全て終わってしまいそう
心が離れるのは とても怖い

二人は寄り添い 最後のキスをした
ときよ止まれ

ソフトクリームのように溶けてゆく 淡い夏の魔法は
私の勘違いか わからないけど
君が選んでくれたバニラ味 もう一度買ってみたの
だけどあのときのように 甘くなかった
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