男の舞扇

親の恩より 師の恩と
父に言われた あのことば
忘れねばこそ 踊りにかけた
男いのちの 舞扇

からむ鹿(ひが)の子 紅鹿の子
かけちゃならない あだなさけ
芸のきびしさ 恋路の闇に
迷やみだれる 足拍子

花のほまれを 人とわば
男冥利の 晴れ舞台
意地の紋付 意気地の袴
今宵まぶしや 金屏風
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