狐と葡萄

子供の頃の僕が泣いてる
庇ったあの子も泣いている
次の日から あの子の代わりになった
優しい人になれなかった

母親は教師で 父親はいない
だから 誰かを守ってみたかった
でも次の日から僕は 耐えるだけの
見てるだけの人間になった

彼女は病気の自分を責めた
「みんなと違う」
「普通じゃない」

この世界で君が生きてる
傷だらけになる そんな生き方で
誰かを信じて それで傷ついて
それでも「生きていたい」と泣いてる

汚れた自分をもっと汚して
「私のせいだ」と寂しそうに笑う
君が言う様に 君が嫌な奴でも
僕は君と話したい

聞こえてるかい
俺はもう 大人になってしまう
それでもまだ やり直せるかい
「傷つきたくない病気」のまま

この世界で僕が生きてる
逃げ回るだけの こんな生き方で
守りたかった人も傷つけて
それでも「生きていたい」と泣いてる

汚れた自分をもっと汚して
「汚れていない」と慣れた声で笑う
誰かが言う様に 僕が嫌な奴でも
僕は君と もう一度だけ
傷つけあっても 年を取っても

君が言う様に 君が嫌な奴でも
僕は君と話したい
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