風の庭

こぼれ落ちてくる陽射しを
手のひらでそっとすくった
小手毬の花の垣根
はじまりの季節がめぐって

風の庭 胸にとどく
目覚める緑の声

ふたりが出会った日から
幾つもの時が流れて
重ねてゆくたび軽くなる
引き寄せあう糸はそよいで

風の庭 この場所から
眺めていると

静かに息をする
すべてが愛しく思えるの
春の陽のなかで

風の庭 通り雨が
こころに沁みる日も そっと そっと

見上げて息をする
しずくがきらめく
静かに息をする 今
すべてが愛しく思えるの
ずっとそばにいる
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