桜花蕭々

駆け回るきみの跡 筆取り辿れば
蕭々(しとしと)と謎が降る 困った子だな

雪宿りの作法 覚えているか?
睫毛に残った涙は今も――

離れてもなお曇りなく 桜花すらも染める想い
活字の花が散る前に 満開の下で逢おう

泣いたような雨の後 スカアト絞れば
子供染みた足首に 纏わる花弁

花宿りの作法 教えておこう
この筆はいつまで走れるだろう

汚れてもなお陰りなく 桜花すらも散らぬ想い
朗らかな小娘よ 満面の笑みで逢おう

焦がれ焦がれて春抱く

離れてもなお曇りなく 桜花すらも染める想い
活字の花が散る前に 満開の下で逢おう

満面の笑みで逢おう
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