春待風

雲がつつんだ ざわめく街で感じた
あなたに似た気配が 時間を止めた

ちくっと疼きだす
引き出しにしまった
まだ柔らかい二人の淡い日々

ひとりじゃ
広すぎる
この孤独
足が竦む

未熟な言葉 独りよがりの迷いを
何度もぶつけ合って 傷つけ合った

どうしてなんだろう。
心の中に蘇るのはあなたの笑顔だけ‥‥

薄れゆく
ぬくもりを
引き止めることは
しない

春が待つ
風が吹く
強く強く
背中を押した

空を
見上げる
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