LOSTTIME

1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11,
明日なんて要らないから、ずっと、観客席で見守ってくれ。
冴えない僕の総攻撃を。

一人、二人、三人。
躱す。
君がくれたシザースで。
爆ぜる。
歓声が今。

1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11,
Tomorrow is hollow.

時計が止まる
位の轟音を連れた雨も過ぎ去って、
私はベランダで虹を待つ。
サッカーボール片手に走っていく貴方を見ていた。
adidas のヴィジャ・モデル。良く似合っていた。

I hate my life.
だから歌うんだ。

I am in the LOSTTIME.

篝火華と旧校舎と貴方に、この応援歌を捧げよう。
今放つモノクロームよ、貴方に無回転で刺されよ。

限りなく透明なブルー纏う私の虹。

いま、ロスタイム。

貴方は未だ知らない。
私の病名も。
余命、も。

貴方が生まれて私が死ぬまで
時計が、止まるまで。

貴方の為に歌っていたいんだよ。
画面越しの罵詈雑言では消えない愛を。
蒼穹と慈愛の虹色颱風を。

I'm proud of my life!!って。
大きな声で。

I am in the LOSTTIME.

向日葵と給水器と貴方に、
この蹴鞠唄を捧げよう。
生と死のグラデーションの真ん中で、
貴方と生きているよ。

錆の無い人生が唯一つ放った希望。

カノープスの閃光。

その距離も識らずに何光年もの闇を越え、
あの、星まで、行きたい。
あと少し、保てば良い。

…S・O・S?
ほら、君の歓声。

喚声。

掛声。

声援。

1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11,

明日なんて要らないからずっと観客席で見守ってくれ。
冴えない僕の総攻撃を。
一歩、二歩、三歩。
踊るようなマルセイユ・ターンで揺れる。
スタジアムが。
いま。

明日なんて要らないのに。

貴方ならなれる、いつか。
世界一のストライカー。
ファンタジスタ。
バロンドーラー。

I am MARADONA in the LOSTTIME.

笛。
未だ鳴らないでよ。
貴方に、この子守唄を捧げるの。
神様、どうかあの子が虹のように、朝日のように、
世界に愛されますように。

イン、ザ、ロスタイム。

君がくれた歩幅以外は何も要らない。
ただ虹を待つ。
あの雲の向こうで見守っていて。

冴えない僕の総攻撃を。
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