路面電車の町~あじさいの頃~

路面電車が今も走る
この町で肩寄せて あなたと暮らした
あれから何年たったでしょう
変らない町並に 思い出かさなる

小さな駅降りて 商店街を抜け
お地蔵さま曲がれば 二つ目のアパート
あの頃の二人が ほほ笑み合いながら
ワインでささやかな 乾杯をしてる
抱きしめていた夢はいつか 叶うと信じてた

雨降りだした 夜更けの町
この駅で傘もって 待っていてくれた
あなたの姿を見つけた時
嬉しくてそれだけで 泣きそうになった

馴染みの居酒屋も 看板をしまって
街灯がボンヤリと 雨の中に続く
垣根の紫陽花を 足止めて見つめた
一つの傘の柄に かさねあう手と手
このままでいい二人ならと 心から思った

小さな駅降りて 商店街を抜け
お地蔵さま曲がれば 二つ目のアパート
鉢に咲かせた花 窓辺に置いたまま
それぞれの人生 二人は選んだ
戻れない月日の路線に 電車の音がする
戻れない月日の路線に 電車の音がする
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