風の想い―男のこころ―

過去(むかし)をいえば 俺だって
他人(ひと)には話せぬ 傷がある
おまえの泪の 一生ぶんを
いまはだまって 抱いてやりたい
ああ男ってやつは 惚れた女に
そっとそっとそっといつでも
青い少年(こころ)を隠してる

ゆるめにあわす 衿もとに
苦労と優しさ 見えかくれ
おくれ毛撫でてる しぐさにさえも
ふいに愛(いと)しさ こみあげてくる
ああ男ってやつは 惚れた女に
どこかどこかどこか強がる
弱いけものさひとすじの

互いに遠い まわり道
してきた女と こんな俺
探していたよと 眼だけで語る
会えば短い 会えなきゃ長い……
ああ男ってやつは 惚れた女に
なぜかなぜかなぜかいえない
風の本音のひと言が
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