かあちゃん~第2章

最後にかあちゃんと 話をしたのは
木枯らし吹き荒れる二月半ばの寒い夜
小さなかあちゃんがひび割れた手で
背中丸め寒い中 おれに酒買うて来てくれた
そんな優しいかあちゃんが風邪を引くなと
寝る前にあんかを入れてくれたのに
口を閉じて冷たくなったのは粉雪ちらつく
夜明け前だった

思えばかあちゃんに幼い頃だった
煮物ばかりじゃ『いやだ食わねえ』と困らせた
あくる日かあちゃんは文句も言わずに
おれのわがままを大きな心で受けとめた
そんな優しいかあちゃんが初めて作ったライスカレー
嬉しさ隠しておかわりをした
かあちゃん『ありがとう』言葉で言えないけど
心で感謝を言って黙って食べていた

いつかおれも天国へいったなら 親孝行するから
それまでのんびり暮らしてな
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