天使のテレパシー

ふと 嬉しい笑みがこみ上げても
思い通りに 説明できずに
うんと もどかしい気分になるから
頭のなか全部 伝えたくて

(額に)手をかざして
(そっと)ほら一息で
くちびるじゃ遅すぎる
速い恋がいい

ピピッピッピ
ピッピッピ
それでわかるでしょ

ときめく台詞も
せつないメロディーも
一瞬のひらめきを前に
霞んでしまうわ
古びた言葉に なる前の想いを
リアルタイムで 移してあげる

きっと どこかで天使が 何もかも
思い通りに分かってくれるの
ああ 冷たい雨が降る午後にも
マグマのように 熱は湧き出るから

(伸ばした)指の先を
(高く)そう 振り上げて
光より高速で
描き出せたら

チチッチッチ
チッチッチ
時計が止まるわ

気持ちいいことも
涙が出ることも
いつの間に 哀しいくらいに
忘れてしまうの
いつも今だけが
まぶしくて新しい
感触ごと 読みとってほしいよ

(わたしに)接続して
(はやく)だめ 切らないで
まばたきのスピードで
転送するから

パパッパッパ
パッパッパ
感じないかしら?

赤くなる頬も
めまいも喜びも
今日だけの冷めない火照りが
届いてほしくて
湯気が出るほどに
ホカホカのわたしを
温かいうち まるっとあげる
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