望郷哀歌

北へ流れる 浮雲に
故郷映して 里心
田んぼあぜ道 あかねの空に
母と唄った 童歌
あああ あの頃の ぬくもりが
今も覚える 今も覚える 幼い胸に

夕陽背にして 野良仕事
雁もなくねに 親の影
夢を二人で 分け合いながら
腰をまるめて 鍬をとる
あああ 汗に酔う あの笑顔
今も映るよ 今も映るよ 都の空に

越後野面に 立ち登る
夕餉まぢかの 風呂煙り
いろり囲んで 縁をかたる
老いた親父の 自慢節
あああ たくましい あの声が
今も聞こえる 今も聞こえる 望郷哀歌

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