Othello

「私じゃない誰かの方が良いよ」だなんて
優しさによく似せた我が儘だけ残して

別れを告げられたあの夜の事を浮かべて
マフラーの裏側で「どうして?」と繰り返して

ずっと君に言われて切らずに伸ばしてた
僕の髪が地下鉄の風に吹かれて
目の前の景色を隠した

君がくれた言葉やものや時が
心を、部屋を、街を埋め尽くして
苦しくなる
あぁ、今までの幸せが毒に変わる

僕が誰かに話せば
僕の気持ち移って
僕みたいに傷ついては
僕以上に怒りだして
僕より先に君を「嫌い」と言い切りだして
僕だけが変われなくて置いてけぼりになって

変われない僕と戻らない君との間に
あるもの全てが変わる

君がくれた言葉やものや時が
心を、心を、心を埋め尽くして
苦しくなる
あぁ、今までの幸せが毒に変わる

帰り道も電車の中も
時の流れも変わってしまった
なのに君への僕の気持ちが
それだけが変わらない
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