悲しき口笛

丘のホテルの 赤い灯(ひ)も
胸のあかりも 消えるころ
みなと小雨(こさめ)が 降るように
ふしも悲しい 口笛が
恋の街角(まちかど)
露地(ろじ)の細道 ながれ行く

いつかまた逢う 指切りで
笑いながらに 別れたが
白い小指の いとしさが
忘れられない さびしさを
歌に歌って
祈るこころの いじらしさ

夜のグラスの 酒よりも
もゆる紅色(べにいろ) 色さえた
恋の花ゆえ 口づけて
君に捧(ささ)げた 薔薇(ばら)の花
ドラのひびきに
ゆれて悲しや 夢と散る
×