東京テレポート

激しく降る雨に洗い流される街の音
肩を濡らしながら駆けていく学生たち

ヴィヴラフォンみたいに歌い踊る横断歩道
五線譜広げ タクトを振り下ろし進もう

キラキラ光る雨粒と銀色の街
羽根を濡らす燕のように

途切れ途切れの声の方へ 耳を傾けて
ビルの谷間へ吹く風に乗る

どこにでもいるようで ここにしかいない人の影
どこにでもあるようで ここからしか見えない街の景色

やまない午後の雨 静かに歌うのは紫陽花
深く潜り込む駅も今日は地下シェルター

ピンボールみたいに車が郊外へ放たれ
流線型のバイパスが飛沫を上げる

陽気に跳ねる雨粒は時の旅人
過去や未来 なんでも知っている

雲の上までテレポテーション
ふいに見下ろせば まるで湖に沈んだ東京

キラキラ光る雨粒と七色の虹
羽根を拭い燕は飛ぶ

途切れ途切れの記憶たどり 地図がつながれば
東京の空を駆けめぐるあの風に乗る

どこにでもいるようで ここにしかいない人の声
どこにでもあるようで ここからしか聞こえない街の音
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