雨音

あいも変わらず雨模様 「君のせいだね」
ビニールの傘を差し出して 嬉しそうに言う

アスファルト 水たまり
飛び込んだ 足音が
鳴らすのは君のメロディー

夏の雨になって 君はやって来て
水飛沫上がって 雨粒が光って 世界はまわる
君が連れてきた 何もかもが
僕らの時間を止めたなら
ふたり 二度と来ない 今を生きていた

相も変わらず雨予報 僕のせいかな
あのベランダのシャツも まだ濡れているけど

気の抜けたサイダーは
今の自分と重なった
どこへ行った君のメロディー

夏の風はきっと 君を連れて行ってしまったね
カゲロウが揺らいで この想い溶かして季節は巡る
短い夏が終わる時の 寂しさは知らなかったから
ひとり 二度と来ない 今を生きていた

時が経てば忘れてしまう
僕らはそんな生き物らしいんだ
ホタルみたいに 光っていようよ
また会えたときに 思い出せるように

夏の雨を待って 君を見つけるよ
水飛沫上がって 雨粒が光って 世界は回る
君が置いていった あのメロディー
耳をすませば聴こえる
もうすぐ二度と来ない 僕らの夏が来る
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