南風知らん顔

夏の朝 はちのうえの
朝顔を けとばしてったのは
長い旅に疲れきった 南風のいたずらです
たいくつな時には 部屋の窓たたいて
たとえばふるさとのこと 聞かせてくれるかい
南風は知らん顔で 街角を曲がっていった

南風は 熱い国の
恋の香りを 運んできては
ぼく達に同じ朝をむかえさせようとしている
君を抱いたそのあとで 君の寝顔横にして
窓をあけたら 冷たい風がほほをなでる
南風は知らん顔で どこかへ帰っていった
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