Fireworks

夏が始まり あえてどこも行かずに
設定温度17度の部屋で 寝っころがってアイス食ってた
タオルケットにくるまったままぼんやり
日差しも入らぬ閉めきった部屋で 妄想の海に漬かっていると

携帯電話がどこかで鳴ってる 手にとって見た 友達の誘い
今夜は花火大会があるらしい 灼熱地獄に飛び出してゆく
光化学スモッグ、排気ガスを かきわけて原付乗って走る
日焼けのしていない顔がゆがむ 遠くのアスファルトみたいに

ああ どうせまた モノクロ気味な夏の日を
賞味期限の切れた 思い出で味付けしている
現実よりも長い夢から覚めた時
また新しい朝日が 夜空を完食した後だった

久しぶりに歩くと 息も切れて足も棒 汗だくで
人ごみを避けながら イヤホンで耳ふさいで 伏し目がち

待ち合わせ場所に先についたけど 友達はちょっと遅れると言う
読みかけの本の続きを読もうかな 宙に浮いた時間潰すために
青かった空が朱色に変わる 夏の日も折り返しまできてる
都会の喧騒が邪魔をしてる なんでこんなにも

少年のような純粋な気持ちよみがえる
夜空に咲き乱れた 巨大な光に包まれて
迷いも嘘も 絶えず拭えぬ猜疑心も
炸裂音とともに 今だけは消え去ってしまうんだ

つかの間の幸せでも
間違った 喜びでも
気まぐれの優しさでも
悔しいな 嬉しいと思う

夏の終わりに 後悔するその前に

少年のような 純粋な気持ちよみがえる
夜空に咲き乱れた 巨大な光に包まれて
迷いも嘘も 絶えず拭えぬ猜疑心も
炸裂音とともに 今だけは消え去ってしまえ
ああ 今日みたいな カラフル色の夏の日も
年月に毒されて いつかは色褪せてしまうけど
多くの人が 足を止め 花火を見てる
それぞれの心根に それぞれの輝きが映るんだ
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