輝夜華ぐ夜

時の理は 長い記憶
重なりて 憂い定める
変わらずや哀しみの喪に服す顔の裏
当事者に流れる事情なんてもの
興味などない

清ら瀬に身を投げる
罪悪を削ぎ落とすように

路 路 路傍の鳥 成り

怖気ず 長いものまで巻け

夢 潰えぬ 最果ての
静謐な御伽を
人魚の戯言 踊る
俗世へ 月へと 雲隠れ

弔いの篝火 送り
美しき 看取り 晴れるまで

艶やかさえ 揺れ
君は君はで良カレ

秘色色(ひそくいろ)に委ねよ
完全体の幻想
烏揚羽(カラスアゲハ)が落ちる
あの日 見た橙も

生命暮れる旅路の
崇高な遊戯を
見せて 最後の陽炎

届けて 紅 「斎つの音を」
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