Teen Flick

嘘っぱちだったあの青い恋の映画は、
月日を無為な憧れに溶かしてしまった。

レンズで見据えて捉えた世界は
すぐそばにある現実と瞬時に食い違いだして、
あなたの小指に絡みついている不気味に赤い糸はどこへ繋がっているの?

うそぶくように、欺くように、
いまも枯れてはくれないアネモネ。
いつでもスロウに回り出すストーリー――
そんな幻と、弱い羽の音。

拾ったコンパスじゃ辿り着きはしなかった、
ブランケットのいちばん深くのユートピア。

天の川で星を積み上げて、ずっとあなたは運命の眩さに気を取られている。
伏線めかしたささやき声だけが頭のなかに響いて、この夢は醒めていくの?

裏切るように、抗うように、
いちどだけ掠めあった手と手。
軋む不条理、転がるストーリー――
やがて見つめあうためだけの目。

あなたに包まって眠る夜を探している――
この指の糸は繋がらないままでも。
星座の導き、風に舞って飛んだメロディ、ネオンの灯の揺らぎ――
混ざり合ってあなたに届け!
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