Frozen Beach

出来の悪い恋のお話は終わり――出来の悪い恋の歌を道連れに。
心もとなげな色がよく似合うふたりにふさわしい日和。

国道沿いに海へすり抜ける――
過ぎ去りし日々のパラソルだけ、
置き忘れられてゆくためにあるみたいな海へ。
点を結んだ僕の過ち、線を引かれた君の哀しみ、
詰め込んだ瓶は水平線まで。

両腕を広げて抱き寄せた風は、ここにないなにかを探しているよう。
「ひとり」を知る季節、白い時間のなかで、かもめの行方を見つめる。

ホルガはフィルムを残したままうっすら埃を被っている。
街に降るわずかな雪にもほんの少し似てる。

僕らの最後を閉じ込めたら、どんなに寂しい笑顔さえも、綺麗なはずだよ。
忘れないでいい?

国道沿いに海から離れる――
いつかの夏の問いかけはまだ、
不思議なくらいに心に染みついているけれど、
「スノウドームを逆さまにして何回だって繰り返しても、
戻りはしないから」
それが答えだよ。
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