ドラマのあとで

今日も399円の弁当をレジまで運ぶ21時
最近は滅多なことがなければ自炊なんてしない
週に1ぺんくらいだろうか
「ただいま」って呟いてみたりする
大概たまんなくなってテレビをすぐつけるんだけど

この部屋に似合わない可愛すぎるぬいぐるみが
ホコリを取ってくれと僕を睨むんだけど
ごめんなお前の主人はもうここにいないよ
今はどこで何してんだろう

このままいけば多分ドラマみたいな再会もないし
互いのこと知る間もなく ただ歳をとっていくんだろう
君のドレス姿だとか 休みの家族旅行だとか
想像した僕が馬鹿だったのかな

いつも君が買ってきてた2個入りの
アイスをひとりで食べながら
「やっぱ多すぎたか」なんて
ちょっと笑って ゴミにしてしまう

勘違いを避けたくて 君についた小さな嘘が
つもりつもって君の心を隠していって
最後は君のほうが優しい嘘をついて
僕はそれを見つけてしまうんだ

「そんな奴別れて良かったよな」って友達の言葉に
「でもあいつは悪くないんだよ」と
なんでかばってしまうんだろう
君のへたなハナウタとか
何かたくらむその目だとか
愛した僕が馬鹿だったのかな

このままいけば多分君は僕が連れて行けなかった
夜景の見えるレストランで指輪をもらってしまうんだろう
あの時僕がごまかさないで「幸せにする」って言えてたら
もしかして君は...
このままいけば多分ドラマみたいな再会もないし
互いのこと知る間もなく ただ歳をとっていくんだろう
君の作る手料理だとか おかえりっていう笑顔だとか
想像した僕が馬鹿だったのかな
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