袖しぐれ

あふれる涙を 蛇の目の傘に
隠して別れた 橋の上
形も見えない あなたの心
信じる私は 愚かでしょうか
後悔しません 愛したことは
胸に名残(なごり)の 雨が降る

あなたの吐息に 包まれながら
眠ったあの日の 雨の音
悲しい別れの 前触れさえも
気づかぬ振りして 抱かれた私
夢など見ません これから二度と
音もたてずに 雨が降る

あなたの唇 恋しい夜は
目を閉じ小指の 爪をかむ
明日(あした)がわからぬ 幸せだから
女はなおさら 尽くしてみたい
忘れはしません あなたのことは
恋を散らして 雨が降る
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