ゆうすげの花

あなたの胸に 抱かれた夜も
ゆうすげ淡く 咲いていた
おもいでの
おもいでの ゆけむりの宿
窓にせせらぎ 湯あがりの
髪にあの日の あなたが匂う

どれほどあなたを 愛していても
どうにもならない 恋でした
ゆうすげは
ゆうすげは おもいでの花
今はわたしも 人の妻
ひとり手酌の お酒に泣ける

はかない命 ゆうすげの花
夕べに咲いては 朝に散る
人の世の
人の世の かなしい宿命
秘めてせつない 面影に
夜の湯の町 時雨がはしる

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