伊那のふる里

伊那(いな)の荒瀬の しぶきに濡れるョー
しぶきに濡れれば 涙もかわかない
峠に雪むし 舞うころよ
里では今年も 冬支度
あんた帰って 帰ってきてョ
わたしの顔さえ わすれたか
わすれたか

赤い夕焼け 西空染(そ)めるョー
聳(そび)える山並み 赤石(あかいし)・駒ヶ岳(こまがたけ)
鎮守のまつりにゃ お土産を
どっさりかかえて 戻るよと
あんた帰って 帰ってきてョ
あの日の約束 わすれたか
わすれたか

伊那の山間(やまあい) 山霧(やまぎり)深くョー
ひとり寝まくらの 夢さえしめりがち
父さん母さん どれほどに
頼りにしてるか 待ってるか
あんた帰って 帰ってきてョ
生れた故郷 わすれたか
わすれたか
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