新宿シャンソン

夢見るように出会って 私をトリコにさせた
血を吐くように別れて 私を欺いた
木枯らしさえも届かぬ この街の隅でひとり
今も歌っているのよ あの時のドレスで

安い台詞 その場凌ぎ 石の取れた指輪

ドブネズミ ロクデナシ 甲斐性なし
今も 愛してる 愛してる

この淫らな空よ 私を抱きたもれ
みじめさと淋しさ 奪って
私は待っている
あなたとあなたと 擦り切れた未来を
待ち侘びて歌うの 今夜も

ジュテーム ジュテーム
夜と朝の…‥

おかしなものよ時々 あなたの香り見つける
安物のオーデコロンと 昔の歌謡曲

割れたグラス ブノワの店 わめき散らす女

置き手紙 猿芝居 スケコマシ
だけど 愛してる 愛してる

花園の小路で 私は泣いていた
追いかけてもくれない あなたを
私は待っていた
あなたにあなたに うらぶれた女の
くすぶり泣く性が 叫ぶの

ジュテーム ジュテーム
夜と朝の…‥

昔のことよ今では けれども昨日のように
私の肌に染みつく あなたの指の癖
よろけるほどにあおって
消えゆく月を見上げて
ガラクタの街の屋根に はぐれた姥ガラス

歌が好きで お酒好きで
ねぐらもないあなた

かわいくて 馬鹿げてて 優しくて
でもね 大嫌い 愛してる

星屑の雫よ 光を分けたもれ
東雲の谷間に 祈るの
私は待っている
あなたをあなたを かけがえのない人
新宿のつれづれ 歌うの

ジュテーム ジュテーム
夜と朝の…‥果て
×