東京の空

午前五時の夜明け前に僕は一人駅へ急ぐ
歩き慣れた道の途中いつもの踏切がやけに切ない

嗚呼、薄暗い静かなホームにもう列車の音がだんだん近くなってくる

君と二人座ったベンチ冷たいままここにあって
ため息まじり吐いた煙まだ暗い夜に消えていった

嗚呼、忘れてた二人の出来事をこんなものを見ては
また思い出してしまうんだ

赤い列車に乗り込んで今少しずつこの街離れてく
窓から見える東京の空君の街は遠くなってゆく

僕はいつも君の前で精一杯の強がりを見せた
君はそれに少し笑いうなずいてはそっぽを向いてた

嗚呼、話す言葉も途切れては少しずつすれ違う日々に僕ら気付いてしまった

君と僕とが譲れないものひとつずつそのせいで今さら
二人をつないでいた糸はもうどこにも見つからなくなっていた

夜は明ける列車は走る街は何も変わる事はない
僕らもそれぞれの道を歩こう

僕は涙も拭かないままで赤い列車に揺られているよ
夜が明けていく東京の空君の街は遠くなってゆく
にじむ景色と思い出の中赤い列車は走り抜けるよ
窓から見える東京の空いつもどおり夜は明けてゆく
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