儚な宿

雪をいじめる 湯煙りを
よけて 積もればいいものを
つかのまの さだめの恋に 飛び込んで
湯船に溶ける 儚(はか)な雪

嘘をつかなきゃ 逢えぬから
嘘を重ねる 罪もあろ
さようなら 消えいりそうな泣き声に
別れの覚悟が 嘘になる

むくげ 夕顔 酔芙蓉(すいふよう)
一日花(いちにちばな)の愛おしさ
寝返りの 頬に一筋 泪跡
誰に詫びるか 夢にまで
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