おいで夏の境界線

空の入道雲がやけにもったいぶってたけど
強い日差しをやっと連れて来たよ

前に広がる海が眩(まぶ)しくて この手を翳(かざ)せば
光の魚たちが飛び跳ねてる

(今年の水着はどう?)
いたずらっぽく君に聞かれたけど
(何だか恥ずかしくて)
視線外して 動揺隠しながら
いいんじゃないかな
声が上ずる

(おいで)君に好きだって言おう
(おいで)言葉にしなきゃ伝わんない
(おいで)季節なんて過ぎてしまうんだ
(おいで)友達のままじゃいられない
(おいで)胸の奥が熱くなる
そんな葛藤 何も見せずに 僕はいい人のままで

もう来年は
卒業だから
そう 絶対に…

砂浜の上はまるで 焼けたフライパンみたいで
裸足で跳ねる僕を君が笑う

波打ち際まで走って 掌(てのひら)で掬(すく)った水を
掛け合いっこして距離が縮まって行く

(好きな人とかいるの?)
ついでのようにさりげなく聞いたよ
(何か答える前に)
興味ないような どうだっていいような
カッコつけたのは
気になってるから

(まさか)言えるわけないじゃないか
(まさか)僕をどう思うなんて…
(まさか)今の関係 壊したくないよ
(まさか)このままだって構わない
(まさか)ずっと そばにいたいんだ
そんな本音は 波がさらうよ 君に気づかれないまま

(おいで)君に好きだって言おう
(おいで)言葉にしなきゃ伝わんない
(おいで)季節なんて過ぎてしまうんだ
(おいで)友達のままじゃいられない
(おいで)胸の奥が熱くなる
そんな葛藤 何も見せずに 僕はいい人のままで

もう来年は
卒業だから
そう 絶対に…
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