水暦

男が沈めば 女も沈む
ましてあなたは 寂しがり
いいのよ何にも 云わないで
世間に傘を さす恋の
明日の行方は 見えずとも
今を生きたい 水暦

翠にすく髪 その先までも
残る女の 匂い玉
それほどあなたに 抱かれたら
ひと夜が永久に 変わるほど
身体の固さも 破れます
どうぞその手で 受けとめて

ひと目に触れずに 椿の花は
雪にひと色 紅を増す
悔やんでいません 別離ても
情けの淵で 咲く恋を
命と変えても いいのです
明日はいらない 水暦

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