魔王とバッドエンド

この言葉が 君に伝わるように
君より わるいやつになりたいんだ

空っぽのライブハウスで 昨日と同じ曲を歌う
俺の歌を 君が今日も聴いてくれた
その空気振動が まさに空を切る感覚で
俺は 自分と音楽の無力さを知ったんだ

君が聞くべきなのは 音楽じゃないかもしれない
俺の音楽なんかより 医師の診断かもしれない
記憶喪失にでもしてあげたかったよ
俺には なんにもできないから

「もう許してやれよ」って誰かが言う
そのセカンドレイプで吐いた血が
君に「きれいな生き方はしなくていい」と告げる
たとえば 君の呪いが解けるなら
俺が代わりに許さない ってのはどうかな
探してたんだ 俺にも出来ること

何度だって 思い出すよ
君の痛みは解らないけど
でも 何度だって許さないから
君を傷つけたやつのこと

正しくないし 美しくもないけどさ
誰かに好かれようとしない
そんな音楽が あってもいいと思う
この世界の悪意に 誰かが犠牲になんなきゃ
誰にも届かないまま なんにもわからないまま
誰かが死ななきゃだめなら
俺の音楽じゃだめかな

何度だって 思い出すよ
自分の友達が殴られたら
理由なんて知らなくても
「やめろよ」って言えるやつでいたいんだ

君を「きれい」だって言った僕を
「嘘つき」って泣いた君に
この言葉が 君に伝わるように
君より わるいやつになりたいんだ

君が また笑えるように
君より わるいやつになりたいんだ

ねぇ
この言葉が 君に伝わるように
なにも知らないのに うるせーよ
って言われるくらい
わるいやつになりたいんだ

君より わるいやつになりたいんだ
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