追想の理

風に揺らめく音が消えて
白き花は水無月に立つ
瞼の奥で滲む面影が
過ぎた季節を果敢無くした

引き裂くのならこの身ごと
運命だと受け入れて
別つための契りに
揺蕩うそのさまよ

ただ生きるそれが誰かの明日になる
例えいまこの命 散りゆこうとも
残したのはきっと悲しみだけじゃないから
君の足跡のつづきまで
想い 織り連ねてみせたい

遠い彼の地を見る陽炎
白き花は卯月に還る
追想の中で幾つと抱いても
いない人と思い知るだけ

残された者の哀れも
宿命だというならば
空知らぬ雨の中
消せない連の火よ

ただ生きた証をどこかに刻みたい
遥か先の夜明けを見つめていた
願ったのはきっと君が笑っている未来
それは小さな祈りのように
結び 織り連ねていくから

ただ一言でも別れの言葉さえ
許されはしない契りだとしても
残したのはきっと悲しみだけじゃないから
君の足跡のつづきまで…

ただ生きるそれは誰かの明日になる
例えいまこの命 散りゆこうとも
残したのはきっと悲しみだけじゃないから
君の足跡のつづきまで
想い 織り連ねてみせたい
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