道修山夜曲

星の降るよな夜(よる)でした
松の林のその中に、
僕は蹲(しやが)んでをりました。

星の明りに照らされて、
折しも通るあの汽車は、
今夜何処(どこ)までゆくのやら。

松には今夜風もなく
土はジツトリ湿つてる。
遠く近くの笹の葉も
しづもりかへつてゐるばかり。

星の降るよな夜でした、
松の林のその中に
僕は蹲んでをりました。
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