海の恋唄

沖は朝焼け 大漁旗を
待ってこがれて 浜に立つ
無事を祈って 半年過ぎた
なんであんたは 帰らない
あたしを泣かせて ひとりにさせた
憎い海だよ 北漁場

親の意見に 背いてまでも
浜の女房に なったのよ
声を嗄らして 叫んでみても
海風(かぜ)が夜空で 吼えるだけ
あたしのからだは あんたのものよ
夢で今夜は 逢いに来て

命惜しんじゃ 漁師にゃなれぬ
そんな男に 惚れたのに
海は気まぐれ あんたは一途
波の寝床は 冷たかろ
あたしは唄うよ あんたのために
飛沫(しぶき)かぶって 恋唄を
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