妖刀玉兎

月の御殿(みあらか)に蔵(きす)める宝は二つなき妖刀玉兎なり

我が心焼く青し星 如何ならむ

いみじと思へばこそ玉兎を持ちて
一事(ひとこと)も見洩らさじと護(まぼ)り給ふ

千々(ちぢ)の星此れに対(むか)はめや

昂も夕星(ゆうつづ)も共にこそ霞め
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