人生波止場

春の夜更けに 港を発(た)った
しどろ舟足 舵(かじ)無し小舟
あれから何年 やんちゃな俺も
揉(も)まれ打たれて どっこい生きて
辿り着いたよ 夢咲く波止場

口を開けば 口唇寒い
義理を立てれば 道理に迷う
冷たい浮世に つい背を向けりゃ
向けた背中に 世間の風が
ジンと滲(し)みたよ 男の波止場

恋のいろはにゃ 無縁な俺に
咲いた一輪 愛(いと)しい花が
無器用者だと あいつは云うが
二人三脚 心の絆
固く結んだ 人生波止場
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