夜永唄

どうして心ごと奪われてでもまだ
冷たいあなたを抱き寄せたいよ
金木犀の香りが薄れてゆくように
秋が終わり消えていったあなた

こうして心ごと閉じ込めて
あなたが弱り切った僕から離れないように
沈黙さえも二人を繋ぎ止めていた
時を止めてこのまま

あなたに逢えば二人はもう
友達に戻れないと分かっていた
瞳に映る全てを幻にして
夢の中漂いながら分かっていたんだ
独りよがりの愛と

こうして心ごと閉じ込めて
あなたが弱り切った僕から離れていかないように
沈黙さえも二人を繋ぎ止めていた
時を止めてこのまま溶け合う

この目や耳や鼻や口や身体中の五感
全てはあなたの為にあるように
独り善がりの口づけを朝までした事を
今でもまだ痛いほど鮮明に覚えてる

花びらに似た指先を
静かに撫でながら過ごした夜が
また繰り返されてゆく
何度願っても触れる事さえ叶わない
枯れ果てたはずの涙がまた零れて
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