綻びの果て

私は今日をひとつずつ解いていく
箇条書きされた記憶のその隙間に
落としてしまった 大切だけど
大切にはできなかったもの

螺旋状の日々を登りきった先で
私は扉に手をかける

どうか 綻びさえも愛しく思えるように
震える手で結び直すよ
明日を望むほど 視界が滲むのは そう
きっと 今が愛しいからでしょう

私は今日もひとつずつ解いていく
明日はまた同じようで違う風を知る
何を失くしても 何が残れば
私を私と呼べるのだろう

同じ夜の果て 別々の朝へ
そっと流した涙を拭うよ

本当は今も明日に怯えている
それでもただ笑いかけるよ
こぼれ落ちていく 言葉を拾い集めて
きっと そこに私がいる

結ばれた手を少しずつ解いていく
さよならの代わりに笑うから
何を失くしても 私は私なのかな
きっと

今日も綻ぶ日々をひとつずつ結んでいく
最初で最後の嘘をつくよ
また明日には生まれ変わっていくから
どうか 今日が終わるまでは泣いてもいいかな

扉の向こう あなたがいる
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