闇の花

暮れ果てた玻璃窓(はりまど)に
懐かしい雨が降る
迷景(まぼろし)の棲處(すみか)へと
驅(か)け出す

いま
緋色(あけいろ)に濡れたその肌膚(はだ)に
顫(ふる)える愛の徴(しるし)

何もかも疑った
戀人(こいびと)の魂は
悲しみの深い沼
溺れて

螺旋階段(らせんかいだん)の彼方 谺(こだま)する
最期(いまわ)の白い光
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