宿命

たとえ時間を 戻しても
のがられない 恋だった
私の知らない 匂いをさせて
あんたは心を つらぬいた

いつか私を 置き去りに
どこか行きそな 気がしてた
あんたのためなら 燃え尽きたって
惜しくはなかった このいのち

すがる愛ほど 逃げるけど
ほかの誰にも 渡せない
いとしい寝顔に 頬すり寄せて
夢よりおぼろな 旅に出た

一人この世に 残されて
サンタマリアの 鐘が鳴る
あんたはとうとう 私のものと
小さな写真を 胸に抱く

宿命(さだめ)と呼ぶしか ないように
名残りの桜(はな)散る 春のこと
×