あの日雨が降ったから

あの日 雨が降ったから
二人は ずっと 別々だね
アパートの窓際に 薔薇
似合わなくて よく覚えてるよ

あの日 雨が降ったから
泣いたか どうか 誰も知らない
身体の 一番 奥にだけ
消えることのない 夜 ひとつ

守るふりして 傷つけて
嘆いてみせる
足りない 足りない こんなにあるのに
眩しい 眩しい 明かりを消して

「運命って一体何だと思う?」
ときどき思い出す君の悪戯っぽい表情
そんなの所詮現実逃避かロマンチストの暇つぶし
目に見えるものが全てだって信じ切ってた
そもそも“信じる”なんて言葉自体曖昧で
都合の良いことだけ真に受ける占いみたい
花粉とかウイルスだって目には見えないでしょう?
今なら分かることは
私たちはいつでも 前を向いていたいから
どんなに苦しいときも 踏ん張る強さが欲しいから
信じる練習をするんだよ
運命、必然、永遠 目に見えないもの全て
それができた自分は少しだけ胸を張れる
いざというときにこそその力は試される
あの日雨が降らなければ 降らなければ 運命は
変わったかな 君はなんて言うかな

あの日 雨が降ったから
こぼれた一言 届かず済んだ
朝焼け色の 水鏡
映さないでよ 本当のこと

あの日 雨が降ったから
いつまで経っても 分からないね
良かれと思って 選ぶのに
どうしてだろう ねぇ 間違うのは

あの日 雨が降ったから
二人は ずっと 別々だね
アパートの窓際に 薔薇
似合わなくて よく覚えてるよ
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