山の一行詩

初恋の 心に似てる 山のあこがれ
雨うけて か弱い花の 芯(しん)の強さよ
苦労して 辿ればわかる 母という山

石音の こだまではかる 山の深さよ
道しるべ 作りしひとの 温みつたえる
あのひとの なつかし香り 花にもとめて

山小屋は 寄り合い家族 情けよせあう
ロザリオの クルスか星は 友を守れよ
やさしさを 灯してゆれる 小屋のランプは

星たちに 恋して眠る 山の幸せ
雲海の 流れに今朝は 心あらうよ
ダケカンバ 枯れても立ちて 風を見すえる

ああ 果てしないむなしさを
愛して生きる山の男は 山の旅人
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