Summer Delay

夏のせい
君のせい

夕凪の淋しさは夏のせい
眠れない熱帯夜も夏のせい
同じ香りに高鳴る鼓動は
のぼせるほど好きだった君のせい

はぐれて 縋(すが)って
怯えて 比べて
「側にいて」 隠して
きっと正しかった
飽和させたフリークエンシー
わざと

あの空が、あの風が
君をまだ忘れさせないの
夏の行方は 泡沫のミラージュ
嘘だって、知ってたって
君の言葉、鳴り響いたまま
静かすぎる波間に揺られてた

夏のせい
夏のせい

朝焼けが切ないのは夏のせい
片影すら冷めないのは夏のせい
聞こえないふりの不協和音は
都合ばかり押し付けた僕のせい

笑って 流して
謀って 合わせて
「ねぇどうして?」 沈めて
何が間違ってた
共鳴なんてしらじらしい
二度と

あの日々が、あの時が
もう来ないと分かっているのに
八月の夜 夏の果のイマージュ
夢だって、知ってたって
遠い約束、繰り返したまま
記憶の海をまだ泳いでいた

夏のせい
僕のせい
誰の…

気まぐれに咲く横顔
もう散ってしまったのに
ひとりだけまだ夏がdelay

あの空が、あの風が
君をまだ忘れさせないの
夏の行方は 泡沫のミラージュ
どうか時を進めないで
心の奥 乱反射眩しくて
まばたきしたらもう消えていた

夏のせい
君のせい
夏のせい
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