夏の終わり

弱い風に怯えて
線香花火を気にしてる
飽きて立ち上がる僕を
不安な目で君が見上げる

ため息まじり 裸足の指に
波の音がついてきて
淡い恋をしてる
僕らを急かしてる

つまらない昨日も風の中に
溶かしてゆく 愚かさで
遠ざかる季節を眺めていた
君とならば 越えていける
そんな気がしている

プール帰りの自転車で
長い坂道を下っていく
飛んでいった麦わら帽子
夢中になって追いかけた

白いワイシャツ
揺れる日差しの
白日の夢に落ちて
胸を焦がした あの 君の後ろ姿

確かな温もりを探しながら
壊れそうに 抱きしめた
もう迷うことなどない
この手を離さないで
離さないで
夏の終わりが来る

つまらない昨日も風の中に
溶かしてゆく 愚かさで
遠ざかる季節を眺めていた
君とならば越えていける
そんな気がしている
夏の終わりが来る
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